◇ヒーターとB電圧が共に12Vのラジオの製作◇

 このラジオに使用した球は、自動車ラジオ用に作られました。この頃は既にトランジスタも作られており、音声出力にはトランジスタが使われています。従って、このシリーズには残念ながら出力管はありません。


◇回路図(出力管は12V球のシリーズにありません)◇


 12Vシリーズの前には、26Vシリーズの球もあり、マツダの説明では船舶用とのことです。このシリーズには出力管として、双5極管の26A7GT があり、同じ用途と思われる、ロクタルの 双4極ビーム管28D7もあります。今回は、出力管に28D7を使うことにしました。


◇シャーシ前◇


 きっかけは、この12V球使用の自動車ラジオの回路図があり、果たして働くのか興味がありましたので作ってみました。


◇シャーシ内部の様子◇


 発振コイルは6BE6用をそのまま使用し、IFTは耐圧の心配が無いのでトランジスター用を使いました。28D7は並列に接続して、Ep28V,Ip25mA, Eg-3.5V,RL2K,OP=0.2Wです。
 28D7のヒーター用に28Vのトランスを巻いたので、全段の球はヒーターを2個づつ直列につなぎ、それぞれ24V加えました。IFは増幅度が心配なので2段にしてあり、TENの自動車ラジオの回路図とおりにカソードにはバイパスを入れず、100Ωを入れました。


◇シャーシ後部から◇


 IFの1本は、シャープカットオフの球ですが、AVC電圧は殆ど発生しないので、この球で無事働きました。
 12AJ6のプレート電圧は、最初12Vにつなぎましたが、歪みが大きく、28Vに替えました。

<2005.03.23>