球数の多いスーパーを製作しました。
今まで、5球スーパーを基本にしてその球を減らし、常々コンパクトにすることを考えてきました。今回は、その逆を狙いシャシ上が賑やかになるスーパーを考えてみました。 |
このラジオは、計画してから一通り完成するまで、途中での変更が多くあり「右往左往型ラジオ」になりました。
最初は、今まで5球スーパーの球数を減らすことを考えて来たので、今回は、その逆で5球より多いスーパー作ってみようと考えました。 当初の球構成は7球で下記のとおりです。
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◇後 部◇
スピーカーは外部式
ラジオで一番面倒なところは、なんといってもダイアル機構と目盛入れです。無くても良いかもしれませんが、今どこを受信しているかを把握する為に、必要不可欠なところでもあります。
このダイアルと目盛書きが面倒なので周波数カウンターを付け、バリコンはギヤ付き使用することで進めました。 混合に6L7を使うので短波も付ける。IFTはセラミックフィルターを付ける。検波管は6H6を使うのでDAVCとする。と欲張って進めました。 しかし、シャーシ加工中に、前々から実験してみようと考えていた高Gm管の非同調高1付きとしたらどうなるかと、急遽RFに6EH7を追加することにしました。これは、場所を決め穴の追加となります。コイルの切り替えは都合上、スライドスイッチです。 |
◇フロントマスク◇
ダイアル機構と目盛入れは大変な作業になります。
さて、この計画でいちおう完成しましたが、ジャンクの為かセラミックフィルターが上手く働かず、どうも思わしくありません。仕方なく普通のIFTに変えました。
ここでRFの利得が気になり、短波の最高周波数10MHZで測定してみると約10倍の利得がありました。 昔のUZ-6D6では、抵抗結合では1.6MHZで約3倍、ピーキングコイル使用でも18MHZでは1.2dbという記事があり、低Gmの球では殆ど効果がないことが解ります。 このことから非同調高周波増幅は、球のGmが小さいものはあまり効果が無く、高Gm管を使うことで短波でもある程度効果が得られるようです。また、RFとIFにAVCを掛けるので、AVCの効果も良くなります。 |
◇回 路 図◇
最終的に8球になりました。
出来上がったラジオを眺めていて非同調高1付なら、MIXに高Gm管のG1入力を使っても引き込みの心配は無いような印象を受けました。
そこで、どうも感度がいまいちの6L7の採用をやめて6EJ7に交換を考えました。早速改造して10MHZでアンテナトリマーを回してみました。結果は、周波数は動かず、放送の感度が上がりました。 この球で感度もかなり良くなりました。しかし今度は、お手洗いの器具から中間周波への 妨害電波が一層酷くなり、IFTの周波数を470KHZに変更せざるを得なくなりました。 IFTの周波数を変更した為に、文頭の方でも言いましたが面倒なダイアル機構と目盛入れを行う羽目になりました。ここで、また大きく計画変更です。 |
◇リアマスク◇
シャシ上が賑やかな右往左往型ラジオの完成です。
というのも最初に付けたカウンターは、局部発振周波数から455KHZ差し引いた周波数を指示する機械なので、IFの周波数を変えると違う表示になり全く使えません。
とりあえずギア付きバリコンの軸にプーリーを付けてみましたが、180度以上回るので、糸かけが難しくギア付きバリコンも断念し別のバリコンに取り替えました。 しかし、プーリーがシャーシ前面に飛び出した格好にになり、苦労した割りに、あまり見栄えの良くない半製品のようなラジオになってしまいました。 |
<2006.04.14>