◇717Aを使ったFMラジオ◇

初めて製作したFMラジオ(章魚ラジオ)


○配線が容易にと考えオクタル管とロクタル管を使用○

ピン間隔の広い球を使用しました。


 今までに幾度となくラジオを組み立てて球の違いを楽しんでおりました。長年ラジオ作りをしているとやはりちょっと違ったラジオを組み立ててみたくなります。
 振り返ってみると単球、再生式ラジオにレフレックスそしてダブルスーパーも組み立てていました。しかし、音質の良いFMラジオは組み立てた経験がないことに気がつきました。
 国内のFM放送を見てみると76〜90MHzとなっており、超短波に区別されます。また、普通のラジオ放送の振幅変調とは違い、周波数変調といわれる搬送波の周波数変化で伝達させる変調方法で放送されています。このように高い周波数を扱うことと、仕組みも少し変わっていることもあり、思わぬトラブルも予想されますが思い切って作ってみることにしました。


○フロントマスク○

チューニングメーターも取り付けました。


 MT管を用いたFMラジオの製作などは、稀に見かけますが、いつの間にかソケットピンが見にくくなり、ハンダ付けも困難極まりなくなりつつあります。そこで配線の容易なピン間隔の広いオクタルとロクタル管だけで作ることにしました。
 球の構成は決まったので、とりあえず手持ちの部品をかき集めて取りかかることにしました。当然ですが、モノラル受信となります。
 使用球は717A(RF)717A(MIX)14F8(OSC,AFC)12SH7X2(IF)12H6(DET)6SZ7(AF)12A6(PA)6X5(RECT)で、全て8本足の球です。それで章魚(タコ)ラジオと名付けてみました。


○回 路 図○


 高周波増幅と混合は717Aを使い、発振とAFCは14F8を使っています。回路図に沿って何とか組み上げ、電源を入れてみました。
 ところが、放送が全く聞こえません。そこでデップメーターで発振周波数を測るとなんと45MHzでした。コイルを巻きすぎたようです。
 今度は、コイルの巻き数を減らして発振周波数に65-80MHzに合わせました。再び電源を入れ受信してみると感度がとても低く使いものになりません。また、いろいろつついていたらなんとか感度は上がったものの今度は、高周波増幅が発振してしまいました。
 改めて配線を見直すと717Aのカソードから出ている2つの引き出しピンの片方しかバイパスコンが入れてありません。きちんと配線したつもりでもやはり見落としがあったようです。これだけのことに気づかず時間を浪費しました。
 コンデンサーを入力側へ1つ入れ、もう1つは出力側へつなぎ、混合管のプレートとIFTの間に300Ωの抵抗を入れてやっと働くようになりました。


○717Aと6AK5○


717Aはとてもユニークな形をしています。


 717Aは6AK5の前身でとても面白い形です。この球を使ってみたものの初めて作ったFMラジオであり、高周波部分の配置がいまひとつで、配線がのびたり前後したりとおかしな状態になってしまいました。
 バリコンは2連で高周波増幅のアンテナ側は、トリマーを使った半固定です。また、耐圧が高いセラコンが見つけられずアメリカから買い入れました。送料を考えるととても高い買い物になりました。


<2007.11.30>