20年ほど前アメリカのFair Radioの広告に67.5Vの乾電池10個入りが安い価格で載っているのを見つけ、これはお買い得と早速注文しました。しかし・・・よく考えてみましたら電池を買ったところで使うラジオがありません。勿論、懐中電灯に使うというわけにもいきません。幸い?荷物は船便ですから、到着までおおよそ1月間はあります。電池が届くまでにと、ラジオを作ってみることにしました。 |
前面と電池箱
下が電池箱兼充電器
注文した乾電池は特殊であり、電池が空になれば普通の電池では使えなくなります。配線図を探しているとナショナルのSW-3というのが見つかりました。眺めてみればこのラジオはDCの時に1N5-1N5-1A5で働かせACの時は球を差し替えて6J7-6J7-6C5の構成になります。 AC-DCの回路の違いは、ACの時に高周波増幅管のSGに100Kの抵抗が入り、DCの時はこの抵抗をショートします。これはACとDCの切替用プラグに細工をしました。 |
AC球使用時
6K7-6J7-6P5を使用、整流は12FK
出力管は、3極管と5極管ということになり構造が違いますが、1A5のSGは4番ピンで、6C5の4番ピンはNCですから、差し替えても問題ありません。 今回は、ACで働かせるときの6C5を探しましたが、残念ながら見つからず6P5Gを使うことにしました。出力管のグリッドバイアスは半固定であり、1A5用の電圧となります。この電圧では6P5には不足するためカソードバイアスを付け加えます。 この場合も6P5のK、8番ピンは1A5ではNCとなっているため問題ありません。 |
DC球使用時
1P5-1N5-1Q5を使用、整流管は無用です。
電池がある程度消耗しても、電池管の場合B+は45Vで充分働きます。購入した10個の電池は、一夏野球を聞くのに使いました。実際はA電池の消耗の方が多く、結局半分は使わずに自然消耗で不良になってしまいました。これはお買い得だったのか?と悩むところでもあります。
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電池箱の回路図
本体の回路図
<2006.11.10>
昭和29年の乾電池のカタログを見つけました。価格は、現在に直すとおおよそ15倍程度と思います。 |
<2006.11.13>