◇ポリバリコン使用の高1ラジオ その2◇

前回ポリバリコンで上手く働いたので、今度は電池管で製作してみました。
使用球:34-32-1F4


 試しにポリバリコンを高1に使用したところ十分使えることが判りました。そこで今度は電池管の高1を作ることにしました。
 ポリバリコンは、小型でMT、SMT管と組み合わせるとよく似合います。しかし、いささか視力低下人間には不向きでST-14型の球を使うことにしました。


ケミコンのケースを利用したシールドケース

同調ツマミが不思議な位置になってしまいました。


 ラジオの構成
 34、32ともにG1が頭に出ているので、ポリバリコンを球のG1近くに付けました。そのため、球と球の間から同調用ツマミが出ているという変な形になってしまいました。
 部  品
 アンテナコイルは、34に合った直径38mmの紙筒を使い、線を巻いてから溶かした蝋に漬けました。
 検波コイルは、プレート側のハニカムコイル巻きがよても大変であり、バーアンテナのコアに巻きます。また、同調コイルのインダクタンスをアンテナ側と合わせるため、移動できるように紙筒に巻きました。
 プレート側のコイルは、5mmの枠をつくり、その中に0.09mmの線を300t巻き、約4.6mHとなっています。(コイルデーターは回路図内にあります。)


◇斜め前方から◇

シャシが少し低く操作にやや難点あり


 OPTは20k:8Ωになりますので、巻き線比50:1となります。これは、1個50円で買い入れた100V:20Vのトランスの2次コイルをほどき(700t巻いてありました)70t巻きました。このトランスの1次コイルのインダクタンスは3.3Hです。
 同調用ツマミが検波管のG1の近くに位置するので、同調時に手を近づけた時、ハムが入る恐れがあります。この防止策としてシールドケース(キャップ)を取り付けます。これは、古い直径34mmのケミコンのケースを切り取って加工します。中身を抜いたら3カ所に切り目を入れ、これもまた不良品の42か80にかぶせて少しずつ広げます。1カ所にハトメラグを取り付け、ケーブルで接地します。
 シャーシは高さを35mmにしましたが少し小さすぎたようで、電源スイッチの操作が不便になりました。もう少し高い方がベターです。
 回   路
 感度調整は、アンテナコイルに抵抗を入れました。この方法はアンテナコイルが電波を拾うので、音量が0になりません。
 通常34-32の構成では出力管は33を用いるのが一般的ですが、32のグリッド検波の最大出力が心配なので1F4にしました。
 Ep90V、G1の電圧は1F4が-3V、33は-9Vです。完成したラジオにSGから入力を入れ1F4のG1の電圧を読むと、最大でRMS、2Vです。更に入力を増やしてみると2Vがら出力は低下しました。この最大出力では33を十分に働かせることが出来ません。1F4を使ったのは正解でした。


◇回 路 図◇

普段はACで使います。


 直熱管のグリッドバイアスは難しく、フィラメントの片側(-)を接地すると、球のG1には0から-2Vの電圧がかかります。34,1F4は-3Vが規格なのでG1に-2Vを加えました。この電圧でフィラメントには-2Vから-4Vの電圧が掛かります。パイロットランプ用の発光ダイオードが丁度2Vなのでこれを利用しました。
 そして、当然ですが、電池でも使えるようにB+,B-,A+,A-の外部端子を設けてあります。


◇後部から◇

電池でも作動するように端子を付けました。


 1F4の規格はEp90Vでは最大出力が0.1Wですが、聞いてみたところ音量は充分でありました。

<2007.03.06>