◇ナス管を用いたスーパーの製作◇

ナス管使用のスーパー

 変わったスーパーをということでナス管を使ってみました。224,227なども考えましたが、これを使うとヒーター電流が大きくなり、線を巻くのが大変なので6.3V管を使いました。236周波数変換239中間周波増幅236プレート検波42出力280整流です。


 【回  路】
 ○5極管の周波数変換は、最初にスーパーを作ろうとしたときは(1950年)6WC5が買えず6C6を使い、コイルは6A7用でした。その後 いろいろな球で試みましたが、発振コイルはL3を6A7用よりも減らした方が感度がよく、Gmが大きい球ほどL3は少なくすることが必要 ということが判りました。
 6C6の場合L4:L3の比は75:20,6AC7では75:5程度にします。そしてカソード抵抗とスクリーングリッドの抵抗も変えると、感度がかなり変わります。その他カソード抵抗に並列に入れるバイパスコンは0.001と小さくする、6SH7,6AC7を使うときはパラ止めの抵抗をG1に入れる、過発振の時はL4に50K程度の抵抗を並列に入れるなどの注意が要ります。回路図とおりに作れば働く6WC5/6SA7と比べるとかなり面倒だった訳です。
 検波は236のプレート検波としました、入力が大きい場合はグリッドに電流が流れ音が悪くなるので、この現象を防ぐためにG1回路に1MΩの抵抗を入れ、この抵抗に生ずる電圧を中間周波増幅管のG1に戻してAVCとしています。


セット斜め後部から


 
【部品、構成】
  ○バリコン:340PFのポリバリコン
  ○コイル:発振コイルはバーアンテナ用のダストコアに巻き、コイルを移動させてインダクタンス
   を変えています。
  ○IFT:スターのA1,B1 周波数は463KC
  ○ PT/OPT:適当なコアを見つけて巻きました。どちらもチョークコイルの解体品です。
 236,239は内部にシールドがあり、シールドケースは要らないと思いましたが、球相互が近いので発振を防ぐため、球の間にシールド板を入れることとしました。


回 路 図


 このセットに使用したトランスですが、Bが200V,80用の5V/2Aというトランスは無いので巻くことにしました。巻きあげて、鉄心を入れ電気を入れると5Vが6V、6.3Vが7.5VでBもかなり高くなり、1次線の巻き数が100回少ないことにに気付きました。
 今更巻き戻しはとても面倒なので、2次線の上に1次を巻き足して「サンドイッチ巻き」という奇天烈な電源トランスが出来ました。
 このラジオはまたナス球とポリバリコンという古典的なところがある反面バリコンはポリバリコンとなんともミスマッチなラジオです。このせいでしょうか、ポリバリとは大変相性が悪く調整に手間取りました。


球の保護用にと箱に入れました。


セットの裏です。

ポリバリコンが球とはミスマッチ!またこれも面白い。

<2006.03.24>