戦時中の雑誌の広告に、トランスレス球がありました。
これを見てトランスレス・スーパーラジオの製作を思いつきました。
◇マツダの広告◇
戦時中の古い広告です。
国産のST管スーパー用にはヒーター電流が175mAの12WC5のシリーズがありますが、このシリーズ中の12YV1A,12ZP1Aは殆ど見つかりません。
そこで12YV1を使うことにしました。また、12YV1-12ZP1などを使ってスーパーを作るには12WC1-12ZDH1という球が必要となります。しかし、これらの球は見たこともなく入手は諦めアメ球の12A8G,12Q7Gを使うことにしました。 |
入れ物は以前買い入れてそのままになっていたケースキット
このキットを使えばメ−カー製並みにみえます。
製作にあたり、トランスレスは感電防止のため箱入りが安全となります。これは、以前買い入れてあったケースキットの箱を利用しました。
この箱にはマジックアイが取り付けられるようになっておりましたので1629というマジックアイを探し出し使ってみることにしました。 その他の部品も揃えて組み立て始めました。ところがこの段階になり、5球スーパーなら全電流は35-40mA流れるので24ZK2が大丈夫かな。と気になりました。 調べてみるとマツダの規格表では、24ZK2は125V/30mAと書いてあり、少々電流が不足します。この1級マーク付きの時代の球は、規格目一杯で働かせるのはちょっと心配です。安全を考え24ZK2を50Y6に取り替え、マジックアイはヒータートランスを付けて6E5に変更することにしました。 |
◇裏 側◇
シャーシも綺麗に収まります。
B電圧は低めに設定して、完成したラジオの全電流を測ると30mAでした。想像以下だったので、また気が変わりました。
改めて戦前の24ZK2の規格を見ると、半波30mA、倍電圧で40mAと書いてあります。となると安全圏ということになり、再度24ZK2に取り替え半波倍電圧整流にしてました。 数少ない手持ち球の中から1級マーク無しの新品と思われる24ZK2を見つけて使いました。更にマジックアイは1629に戻し、12A8G-12YV1-12Q7G-12ZP1-24ZK2-1629の6球構成となり、国産球とアメ球がそれぞれ3本ということになりました。 パイロットランプは3個付くようになっており、ヒータートランスで点灯させています。これだけはどうしようも無くトランス式となりました。 |
◇回 路 図◇
使用したケースキットは昭和26-35年頃流行したもので、箱・ダイアル・シャーシがセットになったもので「ケースキット」と呼ばれました。 このケースキットは、TAIHEI(太平)というメーカーです。当時のものであり、今ではメーカーロゴの最後の「I」が取れて無くなってしまいました。眺めてみると「E」が「A」に見えるのでTAIHA(大破)ラジオと読めます。 |
<2007.07.15>