◇ロクタル管スーパー◇

ブリキ箱にラジオを組み込んでみました。


 趣味として長年ラジオやアンプを組み立てたりしていると、知らず知らずに細かな部品が貯まってしまいます。
 そういった使いそうで使わない部品、いわゆるジャンクパーツというのでしょか。これらを入れていたブリキの箱に今回はラジオを組み込んでみました。


◇ブリキ缶のいろいろ◇

ラジオに使えそうで使いにくい薄いブリキの箱


 頂き物などでクッキーやあられの入っているブリキの箱、ひっくり返せばシャーシにもなりそうです。
 
 蓋が平面なら立派なシャーシとかケースになる形状ですが、だいたいは廃棄するか小物入れくらいしか思い浮かびません。私は程良いサイズの箱にラジオの部品などを入れています。
 この箱は形が良くても強度不足です。それでも試しにロクタル管を並べてみたところ、これが体裁良く5本一列に並びました。
 さて問題は強度です。0.3mmあるかないかの薄い板ですから仕方がありません。さてどうしたものかと0.8tのアルミ板を裏に入れて補強を試みてみました。
 電源トランスは無理ですが、そこそこの強度が保てる事が判りました。となるとトランスレスラジオに絞られます。


◇回 路 図◇

レス式は軽量で小型で軽量に組み立てられるメリットがあります。


アンテナコイルは感度の良いバーアンテナを採用しています。これはポリバリコンの340PFに合わせてOSCも巻いてあります。回路はごく普通のありきたりのものです。
 
 使用球はロクタル管で14Q7−14B7−7C6−35A5−35Z3です。ヒーターの合計101.5Vとなります。
 7C6のヒーターは6.3Vの球ですが、ヒーターは同じく0.15mAであり直列配線で全く問題はありません。
 これが違うとその球に負荷が掛かりヒーターを切ってしまいます。


◇外  観◇

ロクタル管を一列に並べます。


 眺めてみるとなかなかコンパクトに仕上がったと満足・・・
 それでよくよく眺めてみると電力増幅管とブロックケミコンが並んでいることに気がつきました。
 これでは熱に弱いケミコンがもろに影響を受けます。これは最終的に撤去して内部にチューブラを取りつけて良しとします。
 ただし、空いた穴はふさがりません。私としたことが・・・開いた口もふさがりませんでした。


◇前  面◇

ACコード、電源、パイロット、音量、同調となっています。


 仕方ないのでブロックケミコンは外しました。
 空き缶が小振りだったのでIFTも小振りのものを使用したところなかなか似合うと好評を頂きました。
 球のバランスを考慮すればもう少し大きめのものを使うところですが、球を密着させた為にバランス良く見えるのでしょうか。
 また、SPのジャックも付ける予定で穴を開けていたのですが電源コードの引き出し穴を忘れていました。
 下手に穴を追加するとバランスが崩れるので、この穴は電源コードの引き出し穴に変更しました。


◇完 成◇

(上部から)バーアンテナはコアが長い方が良いです。

(後側から)一列配置はロクタル管が映えて見えます。

(蓋を開けたところ)点検が容易に行えます。


 このようにコンパクトに組み立てられたのも最近の部品のお陰です。
 抵抗やコンデンサーなど、その昔は大きくて狭いスペースには無理がありました。最近の部品は、その頃に比べ1/10以下のサイズになった部品もあります。
 外部SPの予定でしたが、電源コードの穴になってしまった為、底面に穴を開けて小型SPを組み込みました。
 底にはスペースを設け音が小さくならないようにしてあります。


<2012.11.12>