◇ナス管ラジオの製作◇

201A の レ フ ラ ジ オ


 201Aという球があります。この球はラジオ放送が始まった頃の球で、この球を使ったラジオは、電源が電池であったそうです。この球を使った3球ラジオの回路図と球を貰ったので、201Aのラジオを作りました。


球の時代に合わせてツマミも古いものをつけてみました。


 しかしこのラジオの回路図は少し変えました。この頃は電源が交流でなく電池で、フィラメント用がA電池、これは6Vの蓄電池です。プレート用はB電池で、検波用が22.5V,その他は90Vです、もう1つ、出力球用のグリッドバイアスの電池がC電池で、この電池は電流が流れないので、長持ちします。
 201Aのフィラメントは5Vなので6Vの蓄電池の電圧を下げるため、フィラメントに直列に可変抵抗が入ります。この可変抵抗をレオスタットと呼び、検波用と増幅用の球には別に入っていました。回路図を見ると音量調整が有りませんが、出力が小さいので、必要はなかったのでしょう。音量を下げたければ、同調をずらすかレオスタットで球のフィラメント電圧を下げます。
 高周波増幅と低周波増幅の1段目は同じ球です。この使い方をレフレックスと呼んでいます。
そして3極管を高周波増幅に使うので、中和が必要です。


後 部 写 真


 それぞれの同調には単連バリコンを使います。結構分離が良いので、同調させるのは、結構面倒です。それて゛再生バリコンを利用し、強く再生を掛けておき、ビートが掛かるところが、放送しているところ、という使い方をします。
 高周波増幅用201Aのバリコンのアース側は接地出来ません。単連バリコンなのでこのような使い方が出来ます。バリコンはパネルにネジ止めですが、パネル板はプラスチックを使いました。当時はエボナイトを使ったそうです。
 B+が90Vなので、出力が心配で112Aを使いました。もし完全に当時のものを復元するのなら、スピーカーは、マグネチック型のもう1つ前の形式でホーンスピーカーになります。


斜め後方から


 高周波増幅管の中和は、201Aのフィラメントを消して、(球はソケットに入れたままにします)アンテナをつなぎ受信します。そして放送が最も小さくなるように、中和コンデンサーを回します。
 201A,112A共フィラメント電圧が5Vなので、グリッドバイアス電圧はフィラメントの両端では、かなり変化します。高周波増幅管は0から-5V,検波管は+5Vから0、出力管は-5から-9.5Vです。
 201Aの次には、交流で点火出来る226が現れ、家庭用の交流が使えるようになりました。しかし検波にはハムが入るので226は使えず、高周波増幅と低周波増幅の1段目は226、検波は鉱石で出力が226という構成のラジオになりました。


○回 路 図○


<2005.02.04>