◆高周波4段のストレートラジオ◆
ラジオを良くご存じの方は、高周波4段と聞くと驚かれるでしょう。この形式は、BC-229-ASでアメリカ陸軍の航空機用無線機の受信機です。
球の構成は、39の高周波4段、37を2結にした検波、そして38で出力となっている6球のプラグイン式受信機です。この球からもお判りのように相当古いラジオです。 |
◇プラグインコイルをいれた状態◇
内部を見ると高周波は、4段増幅ですが、2段目は非同調となっています。そして4段目は、カソードが15V、スクリーングリッドはプレートと同じ220Vという動作であることから2段目と4段目は殆ど増幅していないと思われます。次にTU-18、TU-19のコイルを見るとプレートコイルはローインピーダンスになっています。
このことからGm=1000マイクロモーの39では利得はあまりないようです。このラジオの用途は不明ですが、近距離用であり強い電波を歪み無く受信する機械でしょう。 |
◇上 部 か ら◇
話しは前後いたしますが、最初購入したラジオは、プラグインコイルが欠品しておりました。後々に手に入れたTU-18、19というプラグインコイルが、偶然にもピッタリ入るのでこれを使用しました。従ってこのラジオは原型とは違っていますので、本来の性能ではないでしょう。
調べてみたところ、原型では周波数の範囲が200〜400KC、2470〜4830KCとなっています。しかし、後から手にしたコイルのTU-18は、830〜1330KCと書いてあり、約2倍となります。この為、一般放送の低い周波数は受信出来ません。 |
◇4連バリコンとOPT◇
下にブラグインコイルが入る。
組み立ててみると終段のコイルが違っておりそのままでは使えないことが分かりました。あれこれ調べていると既に改造された大島さんがいらっしゃいました。早速、情報をいただき、前段と同じコイルに巻き替えて、無事作動するようになりました。 |
◇プラグインコイルの受け口と球のソケット◇
中波は、名古屋の放送でJOCK,JOCB,JOAR,JOSFが受信出来ますが、なにしろ低周波増幅が無いようなものなので音量は不足しています。
TU-19(4〜6MC)のコイルでは、ラジオ日経の6MHZ帯が受信出来ました。聞き比べてみると、自作の1-V-2では分離できないラジオ日経の第一と第二が分離出来ますから、流石に高4の効果はありますが、感度は5球スーパー以下と感じます。 |
◇回 路 図◇
ご興味があり、3連バリコンをお持ちなら、プレートコイルをローインピーダンスにして、高周波2段増幅を試みるのも面白いかと思います。
これだと発振の心配はありませんが、感度は、高1程度になり、分離は高1より良くなります。 |