手持ちのOHTAのラジオを調べてみましたら、殆どエミゲンで使い物になりません。
部品取りとしても良いのですが、まだ入れ物の状態も比較的良く、これを活用して大改造を試みました。 OHTA(オータ)は、1954年のカタログをみると、ラジオのパーツ等小物部品のメーカーでした。もしかしたら、ソケットなどにOTAと書かれた物が見つかるかもしれません。 他にポータブルラジオのキットも出していました。このような交流式のラジオのキットまで出しているとは気がつきませんでした。 |
◇OHTA RADIO(改造品)◇
ケースの状態は良い
これは、オータのBCバンドのトランスレスラジオです。球の構成は、トランスレスの標準的な、12BE6-12BD6-12AV6-35C5-35W4でした。調べてみると12BE6,12BD6,12AV6は、極端なエミゲンで使いものになりません。
また、35C5はヒーターの断線と最悪です。結局、無事なのは35W4だけでした。 このまま、球を交換して、少々CRを交換すれば働きますが、それでは面白くないので電池管を用い大改造することにしました。 |
◇電池管のチューナ部◇
MIX-CONV-IF-DET/AFに電池管を使います。バーANTも交換
中身をそっくり変えるという手段もありますが、加工が大変なので、シャシをそのまま使い、1R5-1U4-1S5-50B5-50DC4という構成を考えました。
ご承知のように、1R5,1U4,1S5は電池管です。フィラメント点火に悩みますが、電力増幅管の50B5のカソード電流をこのフィラメント点火に利用しようと計画しました。 しかし、50B5のカソード電流だけでは不足してしまい、補助としてB+から8.2Kの抵抗をつなぎ不足分を解消しました。 |
◇裏 側◇
見た目には、普通のトランスレスのセットです。
このように直熱管のフィラメントを直列につなぐと、G1からの線のつなぎ場所と、プレート電流のバイパスには注意が必要です。
1S5のフィラメントには、1U4,1R5のプレート電流がフィラメント電流以外に流れます。今回は、1S5のフィラメント電圧が他の球と大差が無いのでそのままにしてあります。 |
◇回 路 図◇
異常発振に苦労したラジオです。
発振コイルを変えたので、ついでにアンテナコイルもトランジスタ用のバーアンテナに替えました。
さて、これからが苦労続きでした。バリコンを回しても放送は入らず猛烈な発振です。原因はアンテナコイルのインダクタンスが多すぎバリコンを入れると455KHZに同調するのと、発振コイルの過発振でした。 アンテナコイルは、かなりほどき、発振回路の100PFを22PFに減らしました。感度不足はIFTにPFBを掛けて解決しました。 これは1U4のプレートから1mmのエナメル線を1U4のPの近くに近づけ、発振手前で止めます。 |
<2009.01.19>