◇傍熱5極管をスペースチャージ接続にしたラジオ(実験)◇

 スペースチャージグリッド4極管は、コントロールグリッドとフィラメントの間にスペースチャージグリッド(空間電子格子)があります。
 このグリッドに+の電圧を掛けることによってプレート電圧が低くても働く球になります。また、グリッドは2つありますが、実際の動作は3極管並となります。
 一般の5極管をスペースチャージ接続とするにはG1,G2をスペースチャージ グリッドとして使用し、G3をコントロールグリッドとして働かせます。
 私が本で見付けたスペースチャージ管として働かせていた球はソラ/RH-2と6C6です。
 実際どの程度働くのか6Vで各種の球をテストをしました。結果は下表のとおりです。

 この結果からIg1が少なくIpが多い6J7/6C6がスペースチャージ管として使えそうなことが分りました。このようにGmが小さい球が適当なようです。

◇実験回路 その1(当初)◇

◇実験回路 その2(改良後)◇

 また、プレート電圧が低いセットは、普通のラジオより再生コイルをかなり多くしないと再生が上手く掛かりません。
 早速、仮組をしてみましたが何とか放送が入るものの、音量が少なく物足りません。そこで、ヒーターを約5Vに下げ、プレートは12Vを加えて普通に聞けるようになりました。
 上手く働けば箱にでも入れてポータブルラジオにするつもりでしたが、感度が低くアンテナをつながないと聞こえないので諦めて解体しました。なお、電池管では49がとても良く働きます。
 昔使われて今ではすっかり忘れられた空間電子管の実験もお暇なときに試してみるのも良いかと思います。

◇頭が光らなくなった6E5の活用◇

 6E5という真空管は頭の光る部分と3極管の複合管です。変わったところでは頭だけの球の6AF6Gがあり、3極管部はシャープカットオフとリモートカットオフという複3極管6AE6Gがあります。


◇回 路 図◇


 ここで、一般的な6E5を調べてみるとEp=250V,カソード抵抗3KΩ,RL=100KΩとし、3Vの入力で出力は45V出ます。増幅度は15となります。
 この球を出力にも使えないだろうかと並4の26B,12Aと取り替えてみたところ、結構な音量がありました。プレート電流は、カード抵抗を1KΩにしても約4mAしか流れません。この状態で出力を調べるとなんと55mWもありました。新品の6E5も使ってみましたが出力は殆ど同じでした。


◇セット前面から◇

6E5を低周波増幅管として使用


  6AE6Gのシャープカットオフ3極管の特性は、Ep=250V,Ip-4.5mA,Eg=1.5V, μ=33ですから6E5もこれとよく似た感じで出力管にはあまり向きません。
 なお増幅管として使う場合にはTAは無接続にしておきます。頭が光らない6E5も低周波増幅には充分使えます。


◇セット後部から◇


<2010.02.16>