小型のラジオというと配線に苦労するので、最近は敬遠しておりましたが、久しぶりにSMT管(サブミニチュア管)を使ったスパーを計画してみました。 |
SMT管は、MT管より更に小型の真空管であり、ピン間隔も狭くて若い頃と違い、思ったようにコテが運べず苦労しました。
何かラジオを作ろうと思い、手持ちの部品を調べていると、かなり昔に仕入れたままのトランジスター用の部品が出てきました。 これを真空管ラジオで活用するならば低電圧ということになります。そこで似合う球を探してみるとサブミニチュア管に眼が留まりました。それらの中から1E8,5678,1AJ5,5672を使うことにしました。 |
◇サブミニチュア管とソケット◇
SMTのソケットは丸と扁平、球は足長と短足そして丸と 扁平、シール
ド付きとMT管を列べてみました。MT管に比べ非常に小型の真空管です。
使用したのは電池管であり、当然持ち運びの出来るラジオとします。勿論、外部電源等を作れば固定としても可能でしょう。
しかし、今回はトランジスターラジオのパーツを使い小形化としました。まずは、シャーシですが、金属ではなく加工も容易なベーク板とします。 次に入れ物ですが、適当なものが見つからず、透明のプラスチックの箱としました。この為、中身が丸見えです。 |
◇SMT管の4球スーパー◇
これでも完成品、中身は丸見え
【主要部品】
・バリコン サンエスのポリバリコン 280PF ・IFTは455KHZ,FM検波用のコイルをリツツ線を使いまき直しました。 同調容量は100PF ・OPT 38mmx30mmx10mmのコアに0.1mm:3000t,2次0.3mm:60t.20k:8Ω ・ケースは透明、約20cmx10cmx6cm ・B電池は006Pを6個(これで315円ですから感心しています。) ・A電池は単2型のカドニカです。 ・発振コイルはNo.88 ※プリント基板に部品を取り付け、5mm角の基板をラグ板としました。 |
◇裏 側◇
球がなければトランジスターラジオのようです。
出力管の5672は、Ep=45V,OP=38mwですが、音量的には充分のようです。
また、ケースの蓋を開けたときと閉めたときでは、閉めた方がかなり音量が大きくなります。 球の配置がまずく、ケースの中は隙間だらけとなってしまいました。球を入れなければトランジスタの基板状です。 |
◇加工済みの基板◇
虫食いのようになってしまいました。
小型になるので、少しでも容易にと配置を考えながら組み立てましたが、普段好んで使うGT管やST管と勝手が違い、久しぶりに組み立ててみると想像以上に大変でした。
配線も1mmのハンダ、部品もトランジスタ用、ソケットの足の間隔は非常に狭く配線にも苦労したラジオです。 SMTのラジオは、もうこりごりです。球はやっぱりST管に限る!という結論に至りました。 |
◇回 路 図◇
整流管が無いだけで、基本は5球スーパーです。
<2008.12.06>