◇2バンド高一ストレート受信機◇

 今まで私が見た雑誌では、短波のストレート受信機はプラグインコイル式のものが大部分で、市販のラジオでも見たことがありません。それでスイッチ切り替えの2バンド高一ストレートラジオを作りました。


2バンド高一ストレート受信機(箱入)


 回路: 検波の感度をあげるためと、再生の掛かり方が良くなるとのことで検波管のプレートにチョークコイルを使いました。
 チョークコイルが電源変圧器からの誘導を受ける恐れがあるので、トランスレス式にしました。しかし結果はトランスレス特有の誘導ハムが入り、感じが良くありません。


◇回 路 図◇


全波倍電圧整流では、球ヒーターに約100Vの直流電圧がかかるので半波倍電圧整流にしました。
 この回路でB電圧は50Y6のカソードに216V出ました。半波倍電圧整流ですと電源の片側がシャーシーに繋がりますから、調整の時プラグの差込の向きに気をつければ、シヤーシーを触っても感電することはありません。


主な部品
 コイル:直径20mmのボビンに巻き、中波の検波コイルのプレートコイルには、4mHのハニカムコイルをボビンの中に入れました。周波数範囲はBCが510〜1600KHZ、SWが3.3〜11.5MHZになりました。
 BC帯が510KHZと低くなったのは、中波のコイルを単独でデイップメーターで調べて巻き、実際に使用するときには短波のコイルが直列に入ったためだと思います。
中波のコイルを少し減らせばいいのですが、面倒なのでそのままにしてあります。

 プレートチョークコイル:低周波トランスの鉄心に0.1mmのエナメル線を捲けるだけ捲きました。電流を流さない状態でインダクタンスは130Hでした。

 ダイアル:1:6の微動装置をバリコンに付けました。ストレート受信機 なので短波でも楽に同調できます。

 バンド切り替えスイッチ:2-5接点のものが必要ですが、スーパーと違い2接点と3接点をシールドする必要があり、3段のスイッチの真ん中のウエハーをはずしシールド板を入れました。


シャーシ後部


 トランスレスなので感電が怖く、箱を作って入れました。木工は苦手なので大変でした。材料はベニア板でその上に木目の印刷してあるビニールを貼りました。
シャーシーを止めるネジはプラスチックを使い、ツマミを止めるネジはマミの中に入っていなければいけません。

  調整:12SJ7のカソードをアースしてスクリーングリッドのVRを回し感度が最大の電圧を求め、この点で再生がかかるよう再生コイルの巻き数を加減します。
再生コイルは配線図では同調コイルからタップを出してありますが、実際には同調コイルのアース側に0.1mmのエナメル線を多い目に巻き少しずつ減らします。


コイル群


使用結果:スーパーと比較すると分離が悪いのに驚きます。特に高周波増幅の感度が最大にしてあると分離が悪いので、高周波増幅の感度を下げて再生を効かせると分離がよくなります。


<2004.11.20>