このラジオは民間放送が始まる前に「各放送局が混信します。だから混信の少ないスーパーにしなければいけない。」という触れ込みで雑誌に製作記事が出ました。
しかし、実際に放送が始まってみると、混信することもなく、いつの間にか4球スーパーの製作記事も雑誌から消えました。 また、4球スーパーラジオは、メーカー品も殆ど見かけません。 |
◇4球スーパーの回路図◇
並4及び高1ラジオなど従来の流れで再生をかけて感度を稼ぐ方式です。
4球スーパーというのは、5球スーパー が、周波数変換、中間周波増幅、検波増幅、出力、整流から構成されていますが、この中の中間周波増幅を省略したものです。
私も今まで、このスーパーは作らなかったのですが、今回手を付けました。 |
◇3WC5の広告◇
「民間放送開始に備え」と当時は混信が懸念されていたことが分かります。
球はスーパー改造用に作られた3WC5、検波は57Sです。この球は24Bの代用に57をUYベースにした球で、同じ球をエレバムは24Sと言う名で出しています。
面白いのはフタバで 球には「24B」と書いてありますが、実際は「57S」です。 出力は3YP1、整流は戦後1番に現れた傍熱の12Kです。 |
◇セット前面◇
再生式なので音量調整も再生ツマミで調整です。
感度を上げるため検波はグリッド再生検波です。IFTは1個ならシールドケースが要らないのでケース無し、再生コイルをG-Fコイルの上に50t巻きましたが、これは巻きすぎで30tで良いでしょう。
再生バリコンは半固定です。 |
◇セット後面◇
IFTのケースは必要ありません。その為、再生コイルも追加しやすいです。
さて、作ってみた結果は、中間周波増幅を省くと感度が悪く、高1より感度は悪いです。
ただ高1は、バリコンの構造、コイルの配置、配線などが悪いと発振しますが、4球スーパーは、そういった発振の恐れは無く安定です。 しかし、やはり作るなら、感度選択度に優れる5球スーパーだと思いました |
<2018.07.11>