◇6BH11の単球ラジオ◇

 整理がてら手持ちの真空管並べていたところコンパクトロンの6BH11に目が留まりました。
 コンパクトトロンはアメリカのGE社の名称管であり、特許の関係があって日本では大型12ピン真空管とかCTPという名称だったそうです。
 バルブ形状はMT管のとんがり帽子まで無くなるくらいたっぷり栄養を与えて太らせたみたいな格好ですが、この球でなにか変わったラジオが出来ないものかなとあれこれ考えてみました。
 なんだかんだと試行錯誤の結果、単球ラジオとすることにしました。単球とはいえ内部には3つのユニットが入っているので真空管3本を使っているのと同じです。


◇単球ラジオ フロント側◇

コンパクトトロンには3球分のユニットが入っていますが
レフレックスなので4球分の働きをしてます。


 このコンパクトロン6BH11は5-3-3極管ですから1-V-1にしましたが、思ったより感度不足なので5極部をレフレックスにしました。
 5極部はHi-Gmの為プレートコイルはローインピーダンスのものにします。そして低周波増幅にはG2をプレートとした3極管として用います。
 バリコンは2連を使わずあえて単連を2個使うことにしました。


◇単球ラジオ リヤ側◇

形式は1-V-1です。散々使い回したシャーシの再利用です。


 レフレックス回路で困るのはG1とG2に入れるコンデンサーです。高周波では最低0.01μFは必要ですが、低周波ではこの値が大きいと高音が削られて
モガモガ音になってしまいます。
 通常では最大250PF程度ですが、0.01μFと250PFの間をとって0.001μFとしてみました。
 配線を始めてふと思ったのですが、5極管のG1には高周波と 低周波の両方の信号が入ります。高周波がの信号がプラスでで低周波の信号がマイナスだと信号が消えてしまう
のではないのか思いました。
 解説本を調べてみると低周波の方が常に大きいので高周波は低周波の波形になった形になるとのこと。つまり低周波の波形がしっかりとギザギザになるそうです。


◇参考にした資料から◇

非直線特性のレフ動作を見るとしっかり音声になるということらしいです。


 ラジオの土台ですが、買い入れておいたアルミ板は使い果たしてしまい、あれこれ実験とかに使用した古物の再利用品で組み立てました。
 シャーシーは新規から作ると大変な作業で、こういったガラクタのありがたさを再認識です。使えるだけ使っていよいよとなったら処分ですか・・・
 いわばこのラジオも試験的な面もありましたが・・・


◇セットの回路図◇

コイル、トランスも巻いたり巻き直したりしました。


 6BH11の5極部のG1の同調バリコンに800PFが直列に入るので、約300PFのバリコンでは最低同調周波数が約700KHZになってしまいます。しかし、地元で聞こえる主な放送局は
受信出来るのでよしとしました。


<2020.09.13>