◇エーコン管のラジオ◇

 非常に小型のエーコン管は遠い昔に超短波用に作られました。
 このエーコン(Acorn)とはドングリという意味ですが、この球は、作るのが難しかったようで本家のアメリカでは早々と同性能のMT管に変わりました。


◇回 路 図◇

高1ラジオになります。低周波増幅は117N7というGTの複合管です。


 手持ちのエーコン管は954,955,956,957,958,959,6F4,6L4,9004,9005を持っています。
このうち954,955,956はMTの9001,9002,9003という球になりました。
そして、957,958,959は電池管であり、6F4,6L4は7本足の球になります。
 我が国では954,955が作られました。これらも戦後には軍の放出球が出回り、試作の記事が出ました。
 それらの記事を参考にして今回は高1を試作してみました。


◇セット後部◇

真空管はミニでもスペースを取られるのが欠点


 しかしエーコン管はソケットを使うと割合大きくなり、ドングリほどの真空管とはいえGT管並のスペースを確保しなくてはならないので決して小型のメリットありません。
 今回956,954を使いましたが、高周波増幅には球を横に使うと、G1,Pが分離できて大変便利です。
 ただ、検波にはPが球の上部なので配線が混乱します。
 G1,Pの接続はMT管のソケットを壊して足ピンを使いました。出力、整流には117N7を使いました。この球は整流のPとヒーターの片方が球内部で接続されています。


◇エーコン管の配置◇

複雑な配置で配線もやりにくい


 前回エーコン管のヒーターを70L7と直列につないだら、エーコンのヒーターが断線してしまった苦い経験があるので、今回はエーコン管に専用のヒータートランスを使い、17Vも新たに巻いて117N7のヒーターも規格通りにしました 。
 パネルにはアルミ板 が無くなりベニア板を使いました。
 組み立て後、ミゼットを回しても再生が働かないので不思議に思いました。
 しまった!パネルはベニヤ板だった。ミゼットの軸アース忘れでした。


<2018.12.19>