直接結合型の球(direct coupling vacuum tube)古典管といわれる真空管ですが、1本の真空管の
中にユニットが2つ入っている双3極管があります。
双3極管は今でも12AX7、12AU7等々実在しますが、これらとは全く違い電圧増幅用のユニットと電力増幅用のユニットが内部で接続されてい る球が存在します。 ドライバー管と電力増幅管をコンデンサーを使わず直結するアンプはロフチンホワイトといわれる回路がありますが、2段構成アンプの段 間結合をコンデンサーやトランスを使わずに直結とする方法で、結合による音の劣化がなく素直な音色やレスポンスが良いとされていました。 この回路は、前段の球のプレート電流が当然、出力管のG1に流れ出力管のG1は+になります。しかし、高能率の球で設計してもあまり 変化がないとも云われます。 近年ではオーディオ専用のコンデンサーもあり、トランスの性能も1930年初期頃の物とは比べものにならないと思われます。しかしな がら当時の「良い音」というのを楽しんでみるのも楽しいことと思います。 |
◇複3極の291 293 295◇
初期の直接結合型双3極管295 293(残念なことに破損してます。) 2B6
しかし、前記の内部接続されている球はプレートではなく電圧増幅段のカソードと電力増幅段の
G1が接続されています。
カソードフォロアといわれる回路に似ており、電圧増幅段のゲインは少なく、入力インピーダンスは高く、出力インピーダンスは低くいといわ れています。 この型の先祖は前段の3極が入った複3極の291、293、295、次が2B6ですが、2B6はカソードに540Ωの抵抗を入れ、出力のG1 には8KΩの抵抗を入れる必要がありました。 魅惑の真空管アンプの57頁に2B6、6B5の規格と接続が載っていますが、ベース接続は上からみた図ですから、もしも使う機会などあり ましたら実際の配線には気をつけて下さい。 |
◇カソードが直接アースになり便利になった直接結合双3極管◇
6N6MG 6N6 6B5
次に現れた6B5/6N6は、この抵抗は球の中にあり、出力のカソードは直接アースという大変便利
な球になりました。
しかし、25B5/25N6は6B5/6N6とは規格が違います。 6B5より少し小さい球が6AB6、6AC6です。直接結合型の最終製造が6AC5G/GT、25AC5G/GTとなりました。 |
◇6AC5等◇
25AC5G 25AC5GT 6AC5G 6AC5GT
◇規格違いの25B5等◇
25B5 25N6 6AB6 6AC6
◇◇
6P5GT 6P5G 76 6AE7 6AE5
6AC5は前段の球は外付けで出力だけの球です。これらの球にはそれぞれ前段の球があり、6AC5
は6P5G/GT76、25AC5は「魅惑の真空管アンプ」の記事に掲載があります。
6AE5はシルバニアの規格では6AF5となっています。また、6AC5PP用に6AE7という76を2本入れた球があります。 この球はプレートは2本ともB+につなぐので、行灯型の1個のプレートの中にG、Kが2組入っています。 76が2本入った球は、国産に戦前のUt76Dがありますが、残念ながら我が家にはありません。そして戦後に諏訪無線がUt6L8、6L8Sを製造しました。 |
◇諏訪無線が製造した球など◇
6AE7 Ut6L8 6L8S
◇直接結合型の使用例◇
◇2B6を用いたアンプの例◇
◇6AC5を用いたアンプ◇
◇6AC5を用いたアンプの例◇
◇ラジオへの使用◇
<2022.11.19>
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