◇TV球を用いたラジオ◇

 その昔は良くごみ捨て場、ごみ置き場というのでしょうか、興味をそそる真空管式のTVが時々捨てられていました。
 悪い癖ではありますが、真空管が挿っていると判ると何故かそれに目が留まってしまいます。
 そして、真空管式TVは簡単に裏蓋を外すことができるので、挿さっている球だけを頂いてくるとか電源トランスが付いていたらシャーシごと拾って来たものです。というのもブラウン管は大きく、アマチュアには用途が無い為、非常に邪魔でした。
 しかし、TVはトランスレス式が圧倒的に多いものでした。このように拾い集めてしまったTVの球を利用してラジオを組み立ててみることにしました。


◇回 路 図◇


 真空管式TVは殆どがトランスレス式で、ヒーター電流が0.6A.0.45A,0.3Aのシリーズがありました。
 また、ヒーター電圧もまちまちです。中には一般的に使い易い6.3Vのものもありますが少数です。
 今回は、これらの中から電力消費が少ない0.3Aの球を選び、ヒーター直列のトランスレス式としました。
 このヒーターの点火は直列にシリコン整流器を入れ、30Vの電圧降下を利用し、合計電圧が70V近くなるように選んで不足分は50Ωの抵抗で補いました。


◇使用したTV球◇

8A8−6BX6−9AQ8−15CW5−17Z3


 周波数変換、高周波用は5-3極管の8A8を使いました。この球は6BE6用の発振コイルがそのまま使え大変便利でした。アンテナコイルはバーアンテナを使用しています。
 中間周波用にはこれという適当な球が無くC-pgが小さい6EH7と6BX6を試しに使いましたがやはりGmが大きすぎました。この部分はやっぱりラジオ用の6BA6が無難と感じます。
 検波、増幅 双3極管を使い1つの3極管は2極接続にします。


◇周波数変換部◇

周波数変換、高周波用は8A8です。


 検波、増幅には双3極管9AQ8を使い1つの3極部は2極接続にします。
 出力は垂直、水平出力管の15CW5を使いました。整流はダンパー管の17Z3という球です。


◇正 面◇

木箱はアイロンの入っていた箱を利用しました。


 当初は8A8-6BX6-9AQ8-15CW5-17Z3の構成で作りましたがシャーシの高さを間違え17Z3が入らず19Y3に変更となりました。
 また、トランスレスなので感電を防ぐ為に箱に入れました。これは適当なものを探していたところアイロンの空き箱を見つけましたのでこれを利用しました。
 大きさは幅24.5cm,高さ14cm,奥行き15cmと小振りなものになりました。


◇後  部◇

バーアンテナはシャシから出来るだけ離す。


 出来上がったラジオの感度は標準の5Sとほぼ同じですが、6BE6より雑音が少ない感じがします。
 バーアンテナはシャシから出来るだけ浮かせるようにちょっと小細工をしてみました。金属は使わない方が良いでしょう。


◇助っ人現る◇

ふむふむ・・・なるほど・・!


 どうこうしてると我が家のピョン吉君が調整を手伝いに来てくれました。


<2012.03.22>