日本陸軍のラジオというタイトルでは語弊がありますが、久しぶりに太平洋戦争の時代に日本陸軍が使っていた真空管を使ってラジオを組み立ててみました。
周波数変換UZ135、中間周波UF134、UZ109Cでグリッド検波と低周波増幅、出力はUY133Aです。本来検波にはUF111Aが使われているのですが、この球は1本しか手持ちがなく勿体ないのであえてUZ109Cを使ってみました。 |
◇回 路 図◇
太平洋戦争時代の球で構成しました。
UZ135という球は6A7用の発振コイルでは殆ど発振しないのでP-B間の巻き数をG-Eに対して2:1とし(6A7用コイルは4:1です。)このコイルはトランジスタ用のIFTにG-E間80t,P-B間40t巻きます。
このように、とりあえず初期型の5球スーパーのように組み立ててみましたが、とても感度が悪く並四ラジオ並のラジオになってしまいました。 |
◇正 面◇
やっと組み立ててみたものの、スーパーヘテロダイン受信機にしてはあまりにも感度が低いので感度アップを図ります。思いついたのは再生検波式です。
スーパーヘテロダイン再生式受信機とでもいえば良いのでしょうか。検波段のIFTのグリッド側に再生コイルを追加し適当なバリコンで調整しようというものです。 |
◇後 部◇
珍しいと思われるかもしれませんが、検波段のIFTのグリッド側のコイルにビニールテープを巻き、その上に0.13mmの線を60t巻きます。
そして再生バリコンは50PFを使いましたが、容量不足で上手く働かないので50PFを追加しました。 再生検波の威力は大きく、調整後はだいたい5球スーパーと同じになりました。使用した球は電池管であり、Epが低くても作動するので電源はちょっと苦労します。ヒーター電圧はTrで1Vに調整して使いました。 IFの後が再生グリッド検波、低周波トランスの2段増幅ですから、検波段以下は並4と同じ構成となっています。 コンパクトにしようとスピーカーをシャーシの下に取り付けたところ、ここでも再生がかかってしまい、なんとも盛大にハウリングが起きてしまいました。 やはりダブル再生式は難しいようなので、諦めてスピーカーは外部接続としました。 |
<2015.12.25>